藤井恒輝代表との思い出、そして5年目のひふみ介護へ
2022.12.09(金)
神戸学院大学客員准教授 市田響
藤井恒輝代表が令和元年にひふみ介護を先代から引き継がれて以来、まもなく5年目を迎えられます。
これまで作り上げてきた利用者さんやご家族の皆様との信頼関係や想いを大切にしながら、藤井代表を始めとするスタッフの皆様の努力により、ゆるぎないご盛業にあられますことは喜ばしい限りと存じます。
さて、私と藤井代表とのお付き合いは10年近くになりました。
初めてお目にかかりましたのは大阪市西成区にあった救護施設でありました。
当時私は大学を卒業後、大阪府内にある藤井代表と同じ社会福祉法人へ入職し、障害者支援施設へ配属されて生活支援員をしておりました。
当時の施設長にお願いし、同法人の救護施設の見学をさせて貰うことになり、その時に対応して下さった救護施設の担当者が藤井代表でありました。
藤井代表は法人のパンフレットやレジュメを使って救護施設の成り立ちや入所されている方々の生活実態をグラフや数字から実態を読み解き、端的に分かり易く話をして下さいました。
流れるように紡ぎ出される言葉の節々には社会福祉事業に対する揺るぎない情熱も感じ、こんな方と一緒に仕事をしてみたいと思ったものです。
丁度その翌年だった思いますが、人事異動があり、藤井代表は障害者支援施設へ赴任して来られました。
そこから2年ほどとなりましたが、ご一緒に仕事をする機会を得ました。
藤井代表の障害者福祉の実践は常に支援者に『利用者さんがどう思っているか』を問いかけていました。
特に重度の自閉症スペクトラムの利用者さんに対する支援は一つ一つ丁寧であり、その目線は対応した相手と同じ高さでありました。
全てにおいて、なによりも本人の意思決定確認のプロセスを大切にいました。まずは相手を受容し、徹底的に受け止めて寄り添う援助者の姿勢には感銘を受けたものです。
利用者が不利益を受け、納得が出来ないことは説明を求める、たとえ上司や法人が相手であっても忖度することなく、対峙する姿勢には専門職としての矜持を感じました。
その後ろには常に利用者さんがおりました。
社会福祉法人の一従業員であられた藤井代表はその時点から『お客さまが一番や』『自分が出勤して廊下をサッと歩いたら、どれだけ利用者さんが自分の周りに集まってくるかが大切や。この仕事は人気商売、周りに人が集まって来ない支援者はダメ』などのスタンスを一貫しており、現在でも変えておられません。
異動、退職後も私と藤井代表とのお付き合いは続きました。
藤井代表とこれまでの勤務地でお付き合いのある福祉実践家の人たちで構成される『王将餃子の会』にも寄せて頂きましたし、私と藤井代表、前職の同僚の集まりである『3人会』も継続して、実践の近況報告を欠かしません。
藤井代表から教えて頂いた言葉、所作は現在も障害者福祉の現場で勤務している私の指針となり、常に自身を振り返る物差しとなっています。
ひふみ介護も益々のご発展をお祈りしております。
2022年11月22日