被災地の写真復元ボランティアから繋がった縁

2023.08.02(水)

ひふみ

Writer:hifumi

2011年の東北の震災から一年後にあたる年、私が大学を卒業してから数年後、私の卒業した大学では、震災の津波で家ごと流されてボロボロになってしまった。たくさんの家庭の写真の復元作業のボランティア活動が行われていました。直接被災地には行けなくても、間接的でも何かお役に立てることがあるならば、と思い、私は母校で復元活動のお手伝いをさせていただくことになりました。
被災地から送られてきた写真をスキャナーでパソコンに取り込み、フォトショップというソフトで、写真の欠けた部分を、周囲の残っている部分となじませるように加工編集し、出来るだけ綺麗な状態にしてお返しするというのが主な作業でした。
写真の復元活動を通して、様々な人々との素敵な出会いがありました。大学の付属高校の学生さんがボランティアに来られた時は、若い柔軟な発想で綺麗に写真の復元を行う様子に驚かされました。活動の為に大学に通っていると、現役の大学生さんとも交流する機会もあり、その中には直接被災地にボランティアに行ったことのある学生さんもいました。特に仲良くしてくれた学生さんの一人は、被災地でのボランティアの時に知り合った、現地在住の写真家さんの写真展を、学生さんの恩師の方が開かれているアトリエで行ないたいという願いを持っていました。私も写真展の設営を手伝わせていただくことにしました。写真家さんは震災の津波で悲しくも大切な家族を失ってしまわれた方で、震災の恐ろしさ悲しさを伝えるために被災地の写真展をできるだけ遠くの場所で行なうことが願いでした。本当に自然の力は抗えぬほどに強大で、人の積み上げてきた物も急に一瞬で消えてしまうほどに無力で儚い。写真の数々から私は、今この瞬間を大切に生きなくてはいけないというメッセージを心に強く受け取りました。写真展には多くの方が訪れて下さり、写真展が終わった後も、アトリエ近隣の図書館でも写真家さんの展示が行われるという反響がありました。善意は大きな善意へと繋がっていくものだと心に感じました。