高齢者デイサービスでの思い出

2023.10.27(金)

ひふみ

Writer:hifumi

以前私が勤めさせていただいていた、高齢者デイサービスでの大好きだった男性の利用者様の一人のお話になります。
お家にいるとお酒を飲んでばかりの生活になってしまうとのことで、奥様の希望もあり生活習慣の改善と身体状況の維持の為にデイサービスを利用することになったそうです。

 

彼の施設の利用当初は、とても気性が荒く、施設から出ようとされることも多く、帰りの送迎時間も遅めの希望だったのですが、スタッフ同士で協力して連携して、何とか彼の心身の安全を確保しながら、お過ごしいただくことができていました。大変でしたが、とても学ぶことが多かった日々でもありました。

 

彼が施設の利用を始められて、ひと月経ったくらいだったでしょうか、いつものように私は身構えていたのですが、ある日を境に、今まで刺々しい雰囲気をまとっていた彼は、別人のように、とてもにこやかで愛嬌溢れる、穏やかな雰囲気で、社交的にスタッフと楽しそうに会話を交わすようになっていました。生活習慣が変わり、アルコールを飲む機会が激減したことで、おじいさん本来の穏やかな気質に変化、いや戻られたのでしょうね。

 

それから以降は、本当にちょっとしたことでも面白おかしく笑ってくださる、彼と交わす日々の交流がとても楽しく、元気をいただけるので、仕事で彼に会えることがとても楽しみで仕方がなかったです。

いつも帰りの送迎希望の時間が遅かったので、彼と二人で帰りの時間を待つことが多く、その時にマッサージをさせていただいたり、施設のガレージ内を一緒にお散歩したりしていましたね。その時に彼と外で二重の虹を見たのですが、今も記憶に残っています。

 

その後も彼の状態は良くなっていき、パジャマで施設で来られていたことが多かったのですが、オシャレな服装で来られるようになり、奥様が夜までのお仕事の御都合だったために帰りの送迎希望の時間が遅かったのですが、もう一人でお家にいても安全とのことで、帰りの送迎時間も早くなり、社会性の回復もたくさん見受けられて、私もとても嬉しかったです。
人と交わることと日々の習慣は人を研ぎ澄ます大きな力を持ってますね。