目標があるということは本当に素晴らしいこと

2024.02.06(火)

ひふみ

Writer:hifumi

まだ実現できていなくても、何か目標を持っているというだけでも、すでに偉大である。
昔の偉人の格言を訳した本で、最近目にした、老子が遺されたという、こんな感じの言葉にとても元気をいただきました。
それと同時に、昔働いていた、高齢者デイサービスで出会った利用者さんの一人のことが頭に思い浮かびました。

 

彼女は脳の手術と足の人工関節の手術直後に私が働いていたデイサービスを利用することになりました。
来られた当初の彼女は車いすで生活を行われていました。「デイサービスで機能訓練を頑張って、もう一回自分の足で歩けるようになって、孫をその手で抱きしめるんや。」彼女のデイサービスの大きな利用目的の一つがそれでした。

 

彼女は施設の利用時、毎回の機能訓練ができる時をとても心待ちにしていました。
最初は平行棒内で補助しながらの車いすからの立ち上がりだけでも脚に痛みが生じ、立ち上がった姿勢を数秒間維持するだけでも精一杯でした。
この時私は、失礼ながら、この方は今後、自身の力だけで歩けるほどの回復はできないだろうと思っていました。
しかし、毎回の送迎の車内の会話内で「自分で歩いて孫を抱きしめたいから今日も頑張るわ。」と言い続けながら、彼女は日々訓練を重ねられることで、平行棒内で痛みを感じずに立ったままでいられる時間が増加し、さらに平行棒内で数歩歩くことができるようになられていました。
「あなたが横についていてくれたら安心して訓練ができるから、もっとデイサービスに来る日を増やしたい。」と施設の月の利用回数も増やしていただけたり、彼女のひたむきな姿勢に私の心は大きな元気と希望を貰うことができました。

 

残念ながらその後、彼女のご家族の都合により彼女は入居施設へ移り住むことになってしまい、デイサービスの利用は終了となってしまいました。
その数か月後ぐらいでしたか、偶然、営業まわりで、彼女が入居されていた施設に行くことになりました。
用を終えて帰ろうとした瞬間、後ろから「久しぶりやねぇ元気してた?」と歩行器を上手に使いながら自分の足で彼女が私の所まで歩いてこられました。
私は驚きとともにとてつもない喜びと感動を覚えました。
入居施設でも日々目標に向かって励み、大きな回復を遂げられた彼女の姿から、目標を掲げ続けるということは、心だけでなく、身体にまで大きな良い影響を与えるということを学ばせていただきました。

 

目標があるということは本当に素晴らしいこと。
自分の目標にも、他者の目標にも真っ直ぐ寄り添えるように日々の自分を見つめていきたいものですね。