「想像力は人間にしかない」
2024.11.18(月)
JT生命誌研究館の中村桂子名誉館長は著書『人類はどこで間違えたのか』(中公新者ラクレ)にそう記している。
その能力をどう生かすか。
そこに人の真価が現れる。
「人生は基本、自己責任じゃないかな。だから社会保障は必要最低限で構わないと思うよ」
先日、通りすがりにそんな声を耳にした。声の主は20代前半の青年。
どうやら友人に持論を語っていたらしい。
「自分が社会保障なしでは生活できない立場だったら」
そんな想像をしたことは恐らくないのだろう。
今の彼は何不自由ないのかもしれない。
だが、この先はどうか。
交通事故に遭ったり、職を失ったりするかもしれない。
がんを患うかもしれないし、介護を受ける身になるかもしれない。
それは決して人ごとではないと想像に難くない。
人生100年時代。
誰しも人の助けが必要になるときは必ずある。
生まれてから死ぬまで全てを自己責任では通せない。
だからこそ誰もが安心して暮らせる社会保障が不可なのだ。
何げなく考えた。けがや病気、失業、介護といった問題を国民の自己責任に転嫁するような政治家が、もし権力を手にしたとしたら…
2024/11/12 公明新聞 北斗七星より。